使っていない空き家を放置していると維持管理費がかさんでしまいますが、古い空き家はなかなか買い手が見つからないことも。
そんなときに役立つのが空き家買取です。
空き家買取はマッチする業者を見つけられれば短期間で物件を売却できますが、選び方を間違えると相場に合わない売値になってしまう可能性があります。
そこで今回は空き家買取について以下の内容で紹介します。
▼この記事に書いてあること
その他、空き家買取と空き家バンク(自治体)の違いなども紹介するので、どこで空き家を売却するか迷っている方はぜひ参考にしてくださいね。
空き家買取とは?メリットデメリット
空き家買取とは仲介による売買ではなく、不動産会社に直接物件を買い取ってもらうことを指します。
空き家買取業者を利用することによる主なメリットとデメリットがこちらです。
空き家買取業者は物件を買い取った後に解体やリフォームをして再販します。
その費用分で売却価格は仲介よりも安くなる傾向にあり、この点はデメリットと言えます。
しかし、仲介では買い手がつかない物件も、買取のプロ目線では再販価値があるとみなされることは珍しくなく、スムーズに売却できる点は買取の最大のメリットです。
上記から、空き家買取は
- 仲介では売却が難しい物件を処理したい方
- スピーディーに現金化したい方
に最適な売却方法と言えるでしょう。
空き家買取のデメリット
空き家買取業者を利用することで考えられるデメリットがこちらです。
一つずつ解説していきます。
①仲介で売るよりも安くなる
空き家買取を利用することの一つ目のデメリットが仲介での売却価格より安くなる傾向にあるという点です。
不動産会社は空き家を買い取った後、再販のためにリフォームしたり、老朽化が進んでいる建物なら解体して新築して販売します。
この際にかかる費用を計算して買い取るため、売却価格が安くなります。
②業者を探す手間がかかる
仲介を行う不動産会社は多いですが、買取にも対応している業者は少ないです。
また、買取業者の中でも買取についての条件は各社様々なので、必ずしも希望に沿う売却になるとは限りません。
エリアによっては近隣に買取業者がない可能性もあり、希望条件に合った取引ができる業者を探すのに手間取るケースもあるでしょう。
おすすめな空き家買取業者はこちらの見出しで紹介しているので、参考にしてくださいね。
③条件によっては買取できない可能性がある
空き家買取を行っている不動産会社だとしても、立地や条件によっては買取してもらえないケースもあります。
空き家買取業者は買い取った物件をリフォームなどして再販し、利益を上げます。
物件の状態やエリアなど様々な要因により「利益が上げられない」と判断された物件は買取を断られてしまう可能性も十分あるので、注意が必要です。
空き家買取のメリット
空き家買取業者を利用することには以下のようなメリットがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①短期間で売れる
空き家買取の一つ目のメリットはスピーディーに売却できることです。
一般的な仲介での売買だと買い手を探すために広告を打ったり内覧をしたり、契約から現金化されるまで時間を要します。
空き家買取は業者と所有者の双方が合意すればすぐに売却でき、資金計画がしやすいのもポイントです。
②内覧対応の手間がない
仲介だと購入を検討している人への内覧対応をする必要があり、掃除をしたり不要な家具を処理したりと手間がかかります。
しかし、空き家買取の場合は家の状態や立地などに重きを置いて査定されるため、不用品の有無や家の綺麗さに関してはさほど気にしなくてもOK。
家具なども丸ごと現状のままで買い取ってくれる業者もあるので、処分費用を抑えたい方にもおすすめです。
③仲介手数料・解体費用がかからない
空き家買取の場合は不動産会社が直接物件を買い取ってくれるため、仲介手数料がかかりません。
また、仲介だと老朽化した空き家は買い手が見つかりにくいことが多く、修繕や解体のための費用がかかることも。
空き家買取なら基本的に現状のままで売却できるので、これらの費用がかからない点もメリットと言えます。
空き家買取業者おすすめ3選
空き家買取業者でおすすめな3選がこちらです。
それぞれ詳しく紹介していきます。
カチタス
引用元:中古住宅買い取りならカチタス
カチタスは「買取再販年間販売戸数ランキング」で10年連続1位、買い取り実績7万戸以上の大手買取業者。
全国に店舗を展開するカチタスだからこそできる査定価格提示まで最短3日、現金決済まで最短3週間とスピーディーな対応も人気の秘訣です。
- 全国に130店舗以上を展開する業界トップクラスの規模
- 2023年度の買取再販戸数は5209戸で業界1位
- 査定は土日祝も対応可能で約30分〜1時間程度で終了
空き家買取バンク
引用元:空き家買取バンク|事故物件・訳あり物件に特化した不動産買取業者
空き家買取バンクは事故物件・訳あり物件に特化した、全国対応の不動産買取業者。
顧問弁護士、司法書士と連携していて、相続に関する問題や隣地とのトラブルにも無料でサポートしてもらえるので安心です。
- 残置物や不用品・家財が多く残っていても現状のまま買取OK
- 「おそうじ本舗」と業務提携していて遺品整理の対応もスムーズ
- 相続登記、税金、遺産分割協議などの手続きもサポート
空き家ゲートウェイ
引用元:空き家ゲートウェイ|YADOKARI×カリアゲJAPAN
空き家ゲートウェイは所有者が手放したいものの値段が付かない、売れない物件を100均(100円、100万円)で掲載するマッチングサイト。
活用希望内容などを比較した上で選考できるように購入希望者の募集は最長30日で締め切られ、まとめて所有者に問い合わせを送ってくれます。
- 1つの物件で20~40件以上の問い合わせが来ることが多い
- 物件の掲載、成約時の手数料などは一切なし
- 再建築不可物件も掲載可能
空き家の買取相場
空き家買取の相場は仲介で売却する価格の60~80%ほど。
空き家買取業者は物件を買い取った後に再販するために解体やリフォーム、ハウスクリーニングをします。
これらの再販に向けた費用を差し引いた額がおおよそ上記金額となります。
そのため、より高く空き家を売りたい方には仲介の方が適していますが、「買い手がつきにくい物件を多少価格が下がっても売却したい」という方には買取の方が適していると言えるでしょう。
空き家買取業者の探し方
空き家買取業者の選び方を間違えてしまうと売却価格が安くなったり、希望に沿わない対応となってしまうこともあるので注意が必要。
空き家買取業者を探す際のポイントがこちらです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①複数社で見積もりを比較
空き家買取業者を選ぶ際は複数社に査定を依頼して比較するのが重要です。
空き家買取の専門業者と言っても
- 買取を強化したいエリア
- 空き家の活用方法・再販先
- 得意な空き家の種類(戸建て/マンションなど)
などの特色は様々で、査定額に100万円以上の差が出ることも珍しくありません。
そのため、少なくとも3社以上から見積りを出してもらい、買取価格が高い業者を選びましょう。
②信頼&実績はあるか
空き家買取業者を探す際は信頼と実績のある業者かチェックしましょう。
空き家買取を専門的・重点的に行っている業者であれば、空き家のリフォームや再販のノウハウ、エリア相場への知見があり、高く買い取ってくれる可能性があります。
また、買取実績は公式サイトに掲載されていることが多いです。
具体的にどのエリアのどのような条件の物件を買い取ってきたのか確認できるので、ご自身の所有する物件に似た物件の買取実績がある業者か判断するのに活用できます。
③対応エリアを確認
空き家買取業者の対応エリアを確認することも重要です。
買取業者の中には全国に対応している会社もあれば、対応不可の地域を設定している会社もあります。
売却したい空き家のあるエリアでの買取実績がある業者ならその地の相場や需要に精通しているため、スムーズかつ適正な価格での取引が期待できます。
また、地方の空き家の場合は買取可能エリアや条件に制限があることも考えられるので、該当エリアでの実買取績があるか確認しましょう。
空き家買取と空き家バンク(自治体)の違い
空き家バンクとは、空き家の物件情報を主に自治体がホームページで紹介する制度です。
空き家バンクは初期には自治体のみが運営していましたが、現在はライフルホームズやアットホームなどの民間企業も運用しています。
空き家バンクは物件のオーナー目線では以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | ・無料で誰でも空き家を掲載できる ・補助金や助成金が用意されていることも |
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デメリット | ・空き家の修繕を自分でする必要あり ・宣伝などのサービスがなく売れにくい ・トラブル対応も自らしなければならない |
空き家バンクの注意点は「あくまでも情報の掲載をするだけ」ということ。
売却しやすくするための修繕や宣伝、トラブル対応に至るまで自分でしなければならず、後々手間となることもあります。
一方の空き家買取なら、業者が買い取った後は売主がしなければならないことは特にありません。
また、空き家買取では売主と業者の双方が合意すればすぐに売却できます。
そのため、手間なくスピーディーに空き家を処理したい方には買取の方がおすすめです。
空き家の個人売買は可能?
結論からお伝えすると、空き家の個人売買は法律の観点では可能です。
しかし、売買契約書を自分で作成したり、契約内容に相違があれば自ら契約不適合責任を負わなければならなかったり、現実には専門知識がないと難しいと言えるでしょう。
空き家バンクを利用する際にはトラブル防止のため、協定を結んだ不動産会社に仲介してもらう自治体もあれば、所有者が直接買い手と取引をするケースもあります。
まとめ
今回は以下の内容で紹介しました。
- 空き家買取のデメリットは仲介で売るより安い、買取不可の物件もある点
- 空き家買取のメリットは短期間で売れる、仲介手数料・解体費用がかからない点
- 空き家買取の相場は仲介の売値の60~80%ほど
- 買取業者を探す際は3社以上で査定依頼をするのがベター
- 空き家バンクは情報を掲載するだけ
⇒買取なら契約後のトラブル対応や手間がない
古い空き家は買い手がつきにくいケースが多いですが、買取業者を利用すれば短期間で売却できます。
内覧対応や売買契約後の手間もなく、スムーズに空き家を処理したい方には最適な手法と言えるでしょう。
今回紹介した買取業者のように、会社ごとに得意物件や対応エリアは様々なので、ぜひ物件や希望条件に合った業者を見つけてくださいね。
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